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Skeb

Skeb(スケブ)は、株式会社スケブが運営する、クリエイターがリクエストに応じてイラストなどの作品を制作するコミッションサービス。日本でイラストコミッションが普及するきっかけの一つとなったサービスであり、名称は日本の同人誌即売会の「スケブ」文化に由来する。

特徴

「なるがみ」こと喜田一成が開発し、2018年11月に開始したクリエイターに有償で作品制作を依頼するサービスであり、日本でイラストコミッションが普及するきっかけの一つとなった[1][2][3]三菱UFJリサーチ&コンサルティングクリエイターエコノミー協会が共同で実施したクリエイターエコノミーに関する調査では、スキル提供に関するプラットフォームサービスに分類されている[4]

同人誌即売会で行われていたスケッチブックに無償でイラストを描く「スケブ」文化の変革、欧米のコミッション文化の移入を意図して開発されたものであり、開発者の喜田は、本サービスは「端的に言えば有償のお題箱」だとしている[2][5]。本サービスではクリエイターへの依頼を「リクエスト」と表現し、リクエストを受けるか否かの決定権、リクエストに応じて制作する作品のクオリティもクリエイター側に委ねられており、依頼者側に提示しているクライアントガイドラインでは、打ち合わせ・リテイクを要求する行為を禁止し、これらのプロセスが必要となる案件は他サービス(SKIMAココナラなど)の利用を検討するように促している[6]。これらの本サービスのルールについて、作家の柳井政和は、同人誌即売会の「スケブ」精神が色濃く現れていると評している[7]。また、クリエイターとの打ち合わせ禁止のルールは金額での検索が出来ないシステムとあわせ価格破壊を防ぐ目的もある。[8]

クリエイター側の意見として、アニメーション作家のまめすずは、自身の活動が軌道に乗ったきっかけとして本サービスを挙げるとともに「良くも悪くも余計なコミュニケーション」がないとし、イラストレーターのIxyは、「駆け出しイラストレーターの方が絵で収入を得るという経験をするのには最適化されたサービス」と述べる[9][10]

対象分野

本サービスでリクエスト可能な分野は、2018年のサービス開始当初はイラスト制作のみだったが、その後、音声作品、小説などのテキスト制作、動画と拡がっていった[11][12]。とりわけメタバース分野との親和性が高く、「うちの子リクエスト」といわれるVRChat上のアバターポートレート制作が一つのジャンルとして成立している[1][13]バーチャル美少女ねむは、本サービスによってVRChat上に「アバターポートレート経済圏」が生み出され、定着したとする[1]。2023年9月にはVRChat社とパートナーシップ契約を締結、同年11月にはリクエストしたアバターのイラストを展示することができる「Skeb Art Panel」を発表する[14]

二次創作については、各作品の二次創作ガイドラインに従うことを求めている[6]。2019年6月から原著者に売上を配分する「二次創作公認プログラム」を実施していたが、原著者の特定など運用上の課題があったとして2024年4月に終了する[15]

運営体制

2018年のサービス開始当初は、開発者である喜田が代表を務める外神田商事株式会社が運営していたが、2021年1月に同社の商号を株式会社スケブに変更、同年2月に実業之日本社の子会社となる[2][16][17]。その後、関連会社間での資本移動を経て、2024年7月以降はネクスグループの完全子会社となる[18]

出典

  1. ^ a b c バーチャル美少女ねむ『メタバース進化論 仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」の新世界』技術評論社、2022年、258-259頁。ISBN 978-4-297-12755-8 
  2. ^ a b c 長沼大海 (2020). “秋葉原育ちのクリエイター応援団長” (PDF). 日本政策金融公庫調査月報 (日本政策金融公庫総合研究所) 147: 18-21. https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/tyousa_gttupou_2012.pdf. 
  3. ^ 草野俊彦 (2022). “知らないと恥かく基本&最新 デジタル用語事典”. PRESIDENT (プレジデント社) 60 (20): 54-55. 
  4. ^ 「特集2 クリエイターエコノミーの市場規模について」『デジタルコンテンツ白書2025』デジタルコンテンツ協会、25-32頁。ISBN 978-4-944065-34-9 
  5. ^ 「無料のスケブ文化を変えようと思って」Skeb創設者、なるがみ氏インタビュー【シリーズ:東方からはじめた人たち。】”. 東方我楽多叢誌 (2020年11月5日). 2026年1月8日閲覧。
  6. ^ a b クライアントガイドライン”. Skeb. スケブ. 2026年1月8日閲覧。
  7. ^ 個人開発プロダクトの企業による買収が相次ぐ。買収された2つのサービスとは”. ハーバー・ビジネス・オンライン. 扶桑社 (2021年3月3日). 2026年1月8日閲覧。
  8. ^ Skeb(スケブ)とは?開発者なるがみ氏に聞くクリエイターの社会的地位向上への思い”. BUSINESS CLASS. American Express International (2022年8月5日). 2026年1月23日閲覧。
  9. ^ まめすず (2023). “商業アニメやMVだけじゃない Skebで見出したアニメづくりの活路”. Video salon (玄光社) 86 (6): 76-81. 
  10. ^ Ixy『それでイラストで食べていけるの? プロはみんな気づいている稼ぐための考え方』MUGENUP、2024年、174-179頁。ISBN 978-4-434-34781-8 
  11. ^ イラスト依頼サービス「Skeb」のボイス版が9月リリース VTuberの新たな収益獲得手段となるか?”. MoguLive. Mogura (2019年8月20日). 2026年1月8日閲覧。
  12. ^ イラスト発注サービス「Skeb」が動画・音楽のリクエストに対応 VTuber・アーティストの参加見込む”. ITmedia. アイティメディア (2021年7月1日). 2026年1月8日閲覧。
  13. ^ VRChatイベントカレンダーのアセットが更新!よりイベントへのアクセスがしやすくなったよ!”. バーチャルライフマガジン. バチャマガ (2022年7月22日). 2026年1月8日閲覧。
  14. ^ VRChatでskebのイラストを飾れるアセット「Skeb Art Panel」が公開”. メタカル最前線. V (2023年11月20日). 2026年1月8日閲覧。
  15. ^ Skeb「二次創作公認プログラム」終了 原著作物の誤判定相次ぎ「機械的な特定も不可能」”. ITmedia. アイティメディア (2024年4月3日). 2026年1月8日閲覧。
  16. ^ 運営会社の商号変更に伴う規約とポリシーの変更のお知らせ”. Kazunari Kida and skeb_jp(Medium) (2021年1月6日). 2026年1月8日閲覧。
  17. ^ イラストコミッションサービス「Skeb」を運営する株式会社スケブの株式取得について”. 実業之日本社 (2021年2月12日). 2026年1月8日閲覧。
  18. ^ 株式会社ネクスグループ(東証スタンダード 6634)による株式会社スケブの子会社化のお知らせ”. Skeb(note) (2024年3月15日). 2026年1月8日閲覧。

外部リンク